日天は太陽を擬人化した神で、日天子(にってんし)、日神(にっしん)ともよばれます。
仏典中にも早くからその名がみられ、密教においては光り輝く光明によって煩悩の闇を照破し、ひいては大日如来の徳を輝かすことを誓願として、十二天の一つとして月天と対峙させて曼荼羅中に配されています。
その姿は胎蔵曼荼羅では七頭あるいは五頭立ての馬車に乗り、両手に開敷(かいふ)蓮華を持って坐し、金剛界曼荼羅では右手に日輪(にちりん)を持って荷葉座(かしょうざ・蓮の葉を伏せた敷物)に坐します。またわずかに十二天屏風中に立像が描かれます。
なお、単独尊として造像されることはなかったようです。
左:胎蔵曼荼羅中の日天像 右:日天像 成慶院
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