梵天は仏教の仏の中でも最も古くより起こった天部神(てんぶしん)で、仏教成立前の古代インドでは、万物の根本ブラフマンとして、バラモン教では天地創造の神として維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァと共に三主神を構成し、人々の崇拝を受けてきました。
仏教においては釈迦の帰依者になり、常に説法会座に加わってその教えを聞いたとされ、帝釈天とともに天部中の代表的な仏法(ぶっぽう)守護神の役割を果たしています。インドにおける梵天信仰は、インドのサールナート(釈迦が最初に説法した場所)などの仏伝中(ぶつでんちゅう)にその姿をみることができます。
密教における梵天の役割は、一切万物を生ずる功徳によって、一切の人々に菩提心を起こさせる神として尊崇され、十二天、千手観音二十八部衆の一尊として、また両部曼荼羅や別尊曼荼羅中に配されています。
左:十二天の内の梵天像 右:胎蔵曼荼羅中の梵天像
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