五大明王とは、不動明王、降三世明王、軍荼利(ぐんだり)明王、大威徳明王、金剛夜叉明王(天台密教では烏樞瑟摩明王(烏芻沙摩とも書く)に置き換えられます)のことで、もともと鳩摩羅什訳「仁王般若波羅蜜多経(きょう)(「旧訳仁王経(にんのうきょう)」)」に説かれていた五大力菩薩が不空訳(ふくうやく)「仁王護国般若波羅蜜多経(きょう)(「新訳仁王経(にんのうきょう)」)」を経て密教化したほとけです。
当初は仁王経法や後七日御修法のように鎮護国家を祈る公的な修法において祀(まつ)られていましたが、次第に息災・増益・調伏など、個人的な目的での信仰の対象となりました。
五大明王は悪しき衆生の煩悩を打ち破り、悟りの世界に導くほとけとされ、その姿は非常に恐ろしいものです。簡単にそれぞれの特徴を記しますと、以下のようなものです。ただしその姿は完全に定まったものではなく、さまざまにあらわされます。
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