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高野山 霊宝館(れいほうかん)

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収蔵品紹介

仏に関する基礎知識:五大明王(ごだいみょうおう)

五大明王像五大明王とは、不動明王、降三世明王、軍荼利(ぐんだり)明王、大威徳明王、金剛夜叉明王(天台密教では烏樞瑟摩明王(烏芻沙摩とも書く)に置き換えられます)のことで、もともと鳩摩羅什訳「仁王般若波羅蜜多経(きょう)(「旧訳仁王経(にんのうきょう)」)」に説かれていた五大力菩薩が不空訳(ふくうやく)「仁王護国般若波羅蜜多経(きょう)(「新訳仁王経(にんのうきょう)」)」を経て密教化したほとけです。

当初は仁王経法や後七日御修法のように鎮護国家を祈る公的な修法において祀(まつ)られていましたが、次第に息災・増益・調伏など、個人的な目的での信仰の対象となりました。

五大明王は悪しき衆生の煩悩を打ち破り、悟りの世界に導くほとけとされ、その姿は非常に恐ろしいものです。簡単にそれぞれの特徴を記しますと、以下のようなものです。ただしその姿は完全に定まったものではなく、さまざまにあらわされます。

  • 不動明王(ふどうみょうおう)
    梵名アチャラ・ナータ(=「動かない守護者」)。
    一面二臂(顔が一つ、腕が二本)で右手に剣、左手に索を持ちます。単独で信仰されることが多く、一番よく知られる明王です。
  • 降三世明王(ごうざんぜみょうおう)
    梵名トライローキャヴィジャヤ(=「三世界の王者を降ろす者」)。
    三面八臂で大自在天(シヴァ神(しん))と大自在天妃(ひ)(ウマ女神)を踏みつけます。
  • 軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)
    梵名クンダリー(=「とぐろを巻く者」あるいは「軍荼(水瓶)を持つ者」)。
    一面八臂で各手足に蛇を巻き付けます。
  • 大威徳明王(だいいとくみょうおう)
    梵名ヤマーンタカ(=「怨霊を破滅する尊」)。
    六面六臂六足で水牛に乗ります。単独では戦勝祈願や農耕神として信仰されます。
  • 金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)
    梵名ヴァジュラヤクシャ(=「金剛杵を持つ神霊」)。
    三面六臂で正面のみ五目となります。

明王像

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