妙見菩薩は尊星王(そんじょうおう)・妙見尊星王・北斗妙見菩薩ともよばれ、北極星を神格化したもので、よく物を見、善悪を記録するとされるためこの名があります。妙見菩薩には眼病治療を祈願するほか、常に北の空にあり、航海における道標ともなった北極星の化身ということもあり、航海の安全を祈願します。
さらに国土を擁護して災いを除き、敵を退け、人の福寿を増す菩薩とされ、妙見菩薩を本尊とする尊星王法という修法は天台宗寺門派において最大の秘法とされます。
その姿は変化に富み、二臂や四臂で龍や亀に乗るものの他、俗形束帯像、童子・童女形像などもあります。下の写真のように四臂像では筆と紀籍(紙)を持ちますが、これは人間の生死の籍を司ることをあらわすといわれています。
また、妙見菩薩は名前こそ「菩薩」ですが、事相(じそう・実践上の儀式)においては天部として扱われ、その点では特殊なほとけといえます。
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