文殊菩薩は「三人寄れば文殊の智恵」の諺があるように、数ある中で智恵を代表する仏とされています。
文殊の智恵は、単に勉学による智識の智ばかりではありません。その「智」は、人間が日々生活をしてゆくために必要な全般の「智」のことをさすといわれています。
文殊菩薩は、独尊として祀(まつ)られ信仰されている場合も多いのですが、釈迦如来を中央にして、釈迦の智恵を受けもつ文殊を右に、慈悲の普賢を左に配した釈迦三尊と名づけられた姿の像もよくみかけます。
また、弘法大師が我が国に伝えられた密教尊の姿として、頭髪の結びの数によって、一髻(けい)・五髻・八髻文殊と称され、また梵字(ぼんじ)の文字数によって一字・五字・八字文殊と称される姿の文殊菩薩もあります。
それ以外にも文殊菩薩が善財童子(どうじ)などを従え、はるばる海を越えて日本に渡ってくる様子を描いた渡海文殊と称される姿の像もよくみかけます。
胎蔵曼荼羅の中台八葉院西南に配置され、さらに文殊院の主尊(しゅそん)としても描かれています。
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