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霊宝館では「高野山の名宝」と題しまして、山内寺院の名宝を出陳いたします。今回はシリーズ全3回の内の第2回目となり、山内寺院の内、17ヶ院の名宝がその対象となっています。
高野山は真言密教の道場として開かれましたが、時には他宗派やそれらの人々をも柔軟に受け入れる包容性をも兼ねそなえていて、さまざまな信仰を同居させつつ今日までの歴史を歩んできました。それは密教の聖地高野山でありながら、浄土系美術品や阿弥陀如来像の多さなどからも理解することができます。
一方、密教系の代表仏ともいえる不動明王の信仰なども、大変盛んであったことが分かります。今回の展示のメインともなる不動明王八大童子像などは、鎌倉時代における不動信仰の一端を示すものとして、さらには密教芸術の至宝としても大変優れた作品として知られています。
高野山に伝わる名宝の数々は、祈りや信仰から生まれたものばかりといっても過言ではありません。各時代を通じて人々はどのような願いを込めて祈ったのか、また造仏師や仏画師はいかにして仏を崇高な姿として表現したのかなど、今回の出陳作品から感じ取っていただければと思います。
【主な出陳品】
[国宝]
八大童子立像、仏涅槃図、聾瞽指帰、沢千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃 (以上金剛峯寺)勤操僧正像(普門院)
[重要文化財]
孔雀明王像、大日如来像(西塔旧在)、即身成仏品、増壱阿含経巻第三十二(以上金剛峯寺)、覚禅鈔(西南院)、孔雀文磬(蓮花院)、阿弥陀浄土曼荼羅図、高野版木製活字(以上西禅院)、釈迦如来及び諸尊像(普門院)、毘沙門天像(光台院)、漢書(大明王院)などを展示
国宝13点 重要文化財38点、和歌山県指定3点、重要美術品1点、合計86点を展示。
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