企画展「高野山正智院の歴史と美術」展示リスト
平成10年9月3日〜11月2日
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ごあいさつ
高野山霊宝館では去る平成三年九月十一日より十月末日まで企画展として「正智院の仏画」を開催して11338名にのぼる多くの方々が入館され、好評をいただきました。
このたび正智院の聖教、版本、古文書等を中心とし、仏像・仏画・法具等の優品を綜合した第二回企画展「高野山正智院の歴史と美術」を九月三日より十一月二日までの会期で開健することになりました。
第一回彿画展より七年が経過したことについて、正智院は大正十二年四月二日と昭和十三年六月二十三日の二度の火災により、三ケ所の宝蔵の中が混乱して聖教目録で現典資料検索が困難になっていたことと、長期間に亘る復興再建のため経済的な面で聖教整理に手が廻らなかったという理由で遅延いたしました。
ここに第二回正智院の企画展が開催可能になったのは山本信吉前奈良国立博物館長、山本智教前霊宝館長、日野西眞定奥之院維那(元高野山大学教授)、並びに霊宝館学芸員の方々の協力と尽力に依ります。
ご縁をいただき此の企画展開催に御助力下されました奈良国立博物館学芸課研究職その他の方々に深く感謝申し上げます。
正智院前住職長澤龍祥前官は昭和五十七年九月十二日八十三歳で遷化、本年は十七回忌に相当するので前官尊霊の増進菩提のため特にこの時期に開催するはこびとなりました。
宝門の総帥として正智院歴代先師が大切に保存され残された聖教等寺宝を後世に引き継ぎ伝えられるよう出来得る限り努力を蓋したいと思います。
亦この企画展開催が事教二相、密教研究の一助となれば幸甚に存じます。
高野山正智院住職 長澤光倫
高野山霊宝館長 山口耕榮
番号 | 指定 | 種別 | 名称 | 員数 | 時代 |
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1 | 重文 | 彫刻 | 不動明王坐像 | 一躯 | 平安時代 |
2 | 重文 | 彫刻 | 毘沙門天立像 | 一躯 | 鎌倉時代 |
3 | 重文 | 絵画 | 八字文殊曼荼羅図 | 一幅 | 鎌倉時代 |
4 | 重文 | 絵画 | 普賢延命像 | 一幅 | 鎌倉時代 |
5 | 重文 | 絵画 | 両界曼荼羅図 | 二幅 | 鎌倉時代 |
6 | 重文 | 絵画 | 四社明神像 | 一幅 | 鎌倉時代 |
7 | 重文 | 絵画 | 道範阿闍梨像 | 一幅 | 鎌倉時代 |
8 | 重文 | 工芸 | 銅五鈷鈴 | 一口 | 中国唐時代 |
9 | 重文 | 工芸 | 銅五鈷杖 伝道範阿闍梨所持 | 一口 | 鎌倉時代 |
10 | 重文 | 工芸 | 独鈷杖 伝興正菩薩叡尊所持 | 一口 | 鎌倉時代 |
11 | 国宝 | 書跡 | 文館詞林 嵯峨天皇 冷然院蔵書本 | 二巻 | 中国唐・平安時代 |
12 | 国宝 | 書跡 | 般若心経(十巻合巻の珍本経) | 一巻 | 奈良時代 |
13 | 重文 | 書跡 | 仏頂尊勝陀羅尼経 聖武天皇勅願経 | 一巻 | 奈良時代 |
14 | 重文 | 書跡 | 版本聖宝鈔 高野版 | 一帖 | 鎌倉時代 |
15 | 重文 | 書跡 | 版本蘇悉地羯羅経 高野版 | 一巻 | 鎌倉時代 |
16 | 重文 | 書跡 | 版本成唯識論 高野版 | 二帖 | 鎌倉時代 |
17 | 重文 | 書跡 | 版本仏説無量寿経 高野版 | 二帖 | 鎌倉時代 |
18 | | 文書 | 太政管符案 正暦五年(994) | 一通 | 平安時代 |
19 | | 文書 | 阿闍梨道範自筆處分状 道範自筆文書 | 一通 | 鎌倉時代 |
20 | | 文書 | 阿闍梨永澄自筆正智院處分状 | 一通 | 南北朝時代 |
21 | | 文書 | 眞国庄絵図 | 三紙 | 鎌倉時代 |
22 | | 文芸関係 | 九州問答 | 一冊 | 室町時代 |
23 | | 文芸関係 | 名歌懐中鈔 | 一冊 | 室町時代 |
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