企画展「墨絵の美」展リスト

期間:平成8年12月4日(水)〜平成9年3月2日(日)
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要 旨
   墨絵という語を広義に解釈すると、彩色仏画をはじめ日本画にいたるまでその根幹を成すものということになるのですが、本展では、水墨画や白描画というものに焦点をあてて企画展示いたします。
 我国の水墨画は、鎌倉時代の後期頃から南北朝時代にかけて、禅僧によって盛んに描かれるようになりました。中国には古くから「水暈墨象」という言葉があり、水と墨の微妙な割合により、絶妙なる濃淡の変化を表現し、色彩を用いず色彩を観者に想像させる、それが「水暈墨象の世界」であるというのです。
蜆子和尚図

 今回の企画展では、禅僧による作品は少ないのですが、狩野探幽、池大雅、海北友松、富岡鐵齋などの作品を展観いたしますので、水暈墨象の一端を味わっていただければと思います。  また白描画とは、対象物を輪郭線のみで描くもので、仏画などに多く見られます。本展では重文・五大力菩薩像(普賢院)や禅僧妙澤筆になる不動明王二童子像(持明院)などを出陳いたします。

番号
指定 品質 名称 員数 時代 所有寺院
1
紙本淡彩 山水人物図襖 山亭雅会図 池大雅筆 十面の内四面 江戸時代 遍照光院
2
絹本著色 四季山水図 伝仇英筆 四幅 中国明時代 宝寿院
3
紙本墨画 山水図  層巒暖翠図  三好籃石筆 一幅 江戸時代 金剛峯寺
4
紙本淡彩 山水図  竹雨筆 一幅 大正時代 霊宝館
5
紙本墨画 山水図  南山宝刹図 富岡鐵齋筆 一幅 大正時代 霊宝館
6
県指定 紙本墨画 山水図   餐水喫霞図 富岡鐵齋筆 一幅 大正時代 金剛峯寺
7
紙本墨画 蜆子和尚図  海北友松筆 一幅 桃山時代 宝城院
8
紙本墨画 人物図  海北友松筆 一幅 桃山時代 宝城院
9
紙本墨画 人物図  海北友松筆 一幅 桃山時代 宝城院
10
紙本墨画 人物図  伝・海北友松筆 一幅 桃山時代 宝城院
11
紙本墨画 押貼絵屏風  海北友松筆 六曲一双 桃山時代 遍照尊院
12
紙本墨画 白描小説弘法大師挿画  木村武山筆 四巻の内一巻 昭和初期 金剛峯寺
13
県指定 紙本墨画 瓜竹の子図  楊月筆  二幅 室町時代 宝寿院
14
紙本墨画 竹と漢詩屏風  池大雅筆  六曲一双の内 江戸時代 西南院
15
絹本著色 花鳥図 一幅 室町時代 正智院
16
絹本著色 花鳥図 一幅 江戸時代 宝寿院
17
紙本墨画 滝図  狩野探幽筆 一幅 江戸時代 宝寿院
18
紙本墨画 柳鵲図  狩野探幽筆  一幅 江戸時代 宝寿院
19
絹本著色 耶馬渓之図  松田竹園筆 一幅 大正時代 宝寿院
20
紙本墨画 花器図  富岡鐵齋奉納 一巻 明治時代 宝寿院
21
紙本墨画 すり鉢図  白隠慧鶴筆 一幅 江戸時代 報恩院
22
紙本淡彩 松禽図  宇田荻邨筆 一幅 昭和時代 報恩院
23
重文 紙本墨画 五大力菩薩像 無畏十力吼・雷電吼 五幅の内二幅 鎌倉時代 普賢院
24
絹本墨画淡彩 不動明王二童子像  妙澤筆 三幅 南北朝時代 持明院
25
紙本墨画淡彩 不動明王立像 仲安筆 一幅 室町時代 西門院
26
重文 紙本墨画 五部心観 一巻 平安後期 西南院
27
紙本墨画 覚禅鈔 五十巻の内 鎌倉時代 西南院
28
紙本墨画 白描毘沙門天像 一紙 江戸時代 正智院
29
紙本墨画 白描普賢延命菩薩像 一紙 江戸時代 正智院
30
紙本墨画 白描不動明王二童子像 一紙 江戸時代 正智院
31
紙本墨画 白描不動明王二童子像 一紙 江戸時代 正智院
32
紙本墨画淡彩 樹下羅漢像 原在中筆 一幅 江戸時代 金剛峯寺
33
紙本墨画 十八羅漢像 一幅 江戸時代 円通寺
34
紙本墨画 経文阿弥陀像 中村嘉兵衛筆 一幅 明治時代 金剛峯寺
35
紙本墨画 白衣観音像 狩野探幽筆 一幅 江戸時代 宝寿院
36
紙本墨画 白衣観音像 永真筆 一幅 江戸時代 宝寿院
37
紙本墨画 雲龍に白衣観音像 一幅 江戸時代 宝寿院
38
紙本墨画 滝見観音像 一幅 室町時代 宝寿院
39
紙本墨画 達磨図 
円覚大師賛正宗国師(白隠慧鶴)筆
一幅 江戸時代 金剛峯寺
40
紙本墨画 大獅子図 狩野光信筆 一幅 桃山時代 宝寿院
41
紙本墨画 雲龍図 狩野養州俊信筆 二幅 江戸時代 金剛峯寺
42
紙本墨画淡彩 雲龍図 永真筆 一幅 江戸時代 宝寿院

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