第10回大宝蔵展−「高松宮下賜美術品」「八大童子像」−展示リスト

平成1年8月1日〜31日
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第10回大宝蔵展図録 御 挨 拶
 高祖弘法大師は京の都に鎮護国家の寺として東寺を造営され、また別に高野山を禅定の寺として開かれてから、弘法大師は今にいたるまで済生利民の菩薩としてわが国人の熱心な信仰の的となり、心のささえとなっています。皇室・貴族ならびに一般庶民の救世者としてひろい階層の人々に崇められています。中世における上皇・法皇・皇子方の参詣はよく知られるが、降って近世江戸時代にも皇室は遺骨遺品を高野山におさめ、陵墓を営んで二世の安楽を求められた。近年では昭和天皇皇后両陛下が御登嶺遊ばされたのは記憶に新しい。此度高松宮家はその所蔵の文化財を下賜され、本年ここにこれを一括して展示いたしますのは吾々の光栄とする所であります。
 これと同時に旧陳列室では伽藍不動堂に旧蔵の巨匠運慶の作にかかる国宝八大童子像を本尊の不動明王像とともに展示いたします。日本美術史にその人ありと知られる大芸術家の円熟した作品群を一堂に安置し、御清観いただくことは本館の誇りとするところであります。
    平成元年八月一日 高野山霊宝館長      山 本 智 教


番号
指定 種別 品質 名称 員数 時代 所有寺院
1
未指定 絵画 紙本著色 桜閣山水図(狩野探幽筆) 六曲一双 江戸時代前期 金剛峯寺
2
未指定 絵画 絹本著色 京都東山全景図(岸竹堂筆) 六曲一双 明治時代 金剛峯寺
3
未指定 絵画 絹本墨画淡彩 山水画(貫名菘翁筆) 全十二幅 江戸時代後期 金剛峯寺
4
未指定 絵画 紙本墨画 鐘馗・鯉に滝・古木に鷹図
(狩野探幽筆)
三幅一対 江戸時代前期 金剛峯寺
5
未指定 絵画 絹本墨画淡彩 寿老人・松に鶴・竹に鶴図(狩野常信筆) 三幅一対 江戸時代前期 金剛峯寺
6
未指定 絵画 紙本墨書 墨跡「江国春風吹不起」(一休禅師筆) 一幅 室町時代後期 金剛峯寺
7
未指定 絵画 紙本墨書 達磨図 
円覚大師賛正宗国師(白隠慧鶴)筆
一幅 江戸時代中期 金剛峯寺
8
未指定 絵画 絹本墨書 一行書「松無古今色」
(徳川慶喜公筆)
一幅 江戸時代末期 金剛峯寺
9
未指定 絵画 絹本墨書 一行書「勝悪勝欲」
(徳川慶喜公筆)
一幅 江戸時代末期 金剛峯寺
10
未指定 工芸 梨子金銀唐草御紋散御料紙箱 一合 江戸時代 金剛峯寺
11
未指定 工芸 梨子金銀唐草御紋散御文庫 一合 江戸時代 金剛峯寺
12
未指定 工芸 梨子金銀唐草御紋散御広蓋 一口 江戸時代 金剛峯寺
13
重文 彫刻 木造 不動明王坐像 一躯 平安時代末期 金剛峯寺
14
国宝 彫刻 木造 八大童子像(運慶作) 六躯 鎌倉時代 金剛峯寺

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