第3回霊宝展「真言密教の忿怒像」展示リスト
昭和57年8月1日~31日
ごあいさつ

高野山霊宝館霊宝展は今年で三回目となった。第一回は「弘法大師と高野山」、第二回は「曼荼羅の美術」で、今回は「真言密教の忿怒像」をテーマとする。
真言密教の中心地である高野山の千年にわたる歴史の中で礼拝の対象であった仏教の絵画、彫刻、工芸品のうち、今回は不動明王、降三世明王、愛染明王などの忿怒像を展示する。
至上の仏格である如来像をかこむ諸尊のうち一方では穏和な菩薩像、他方では教令輪身としての忿怒は密教の特色である。
恐ろしい形相ながら内心は慈悲にあふれる不動尊などは日本人の深く信仰する所となり、インドにも中国にも見ない日本仏教の特色をつくって来た。
今回は国宝重文を含む充実した内容によって参観者各位に訴える所があろうと信じる。
真言密教の中心地である高野山の千年にわたる歴史の中で礼拝の対象であった仏教の絵画、彫刻、工芸品のうち、今回は不動明王、降三世明王、愛染明王などの忿怒像を展示する。
至上の仏格である如来像をかこむ諸尊のうち一方では穏和な菩薩像、他方では教令輪身としての忿怒は密教の特色である。
恐ろしい形相ながら内心は慈悲にあふれる不動尊などは日本人の深く信仰する所となり、インドにも中国にも見ない日本仏教の特色をつくって来た。
今回は国宝重文を含む充実した内容によって参観者各位に訴える所があろうと信じる。
昭和五十七年八月 高野山霊宝
館長 山本智教