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仏の姿展示リスト

第20回大宝蔵展「仏の姿」展示リスト

平成11年7月18日~8月31日

御挨拶

高野山には日本最古の涅槃図といわれる有名な国宝「仏涅槃図」が伝わっています。
この涅槃図は平安時代後期の延久4年(1072)頃から始められたとされる伽藍金堂常楽会の本尊として応徳3年(1086)に制作されたものと考えられています。

本涅槃図には画面向かって右端下に「応徳三年四月七日」に制作された墨書紀年銘があることから応徳涅槃図とも親しみをもって呼はれ護持されてきました一山の名宝であります。

お釈迦さまの入減風景が描かれる本図は、菩薩、仏弟子などさまざまな人々が、深い悲しみに沈む情景をたくみに表現し、日本人特有の控えめに感情を発露する精神世界を的確に表現した名画であります。

仏涅槃図を主題としたこの図録には、本画のもつすぐれた技法表現を紹介するため、主要な部分についてはエックス線写真や赤外線写真を掲載致しました。
日本の名画として価値の高い本画の研究が、これらの科学的写真の掲載により、未知の分野の研究に資することを願ってやみません。

平成11年7月18日 高野山霊宝館長 山口耕榮
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