密教の花展示リスト

第21回大宝蔵展「密教の花」展示リスト

平成12年7月20日~9月17日

御挨拶

季節の花、好きな花、色とりどりの花、心にのこる花、平凡な花、貴重な花、それに花としてあつかわれていない花。色の違い、形の大小を越えて、花にはいつも美しい心の動きがあります。
「いけばな」は、花の命、花の心をいけることからはじまり、そして仏への供花にその源流があります。

仏への供花の歴史は古く、それは仏教伝来とともにあるといってよいと思います。
天平勝宝四年(七五二)四月十日に元興寺から東大寺に献ぜられた歌があり(東大寺要録)、六歌仙の一人である僧正遍昭(八一六-八九〇)も歌を残しています(後撰集)。
また天長九年(八三二)八月二十二日弘法大師が高野山に万灯会を修する願文に「万灯万花の会を設けて両部の曼荼羅四種の智印に奉献す。期する所は毎年に一度この事を設け奉て四恩に答え奉らん。虚空盡き 衆生盡き 涅槃盡きなば 我が願いも盡きなん」(性霊集巻八)とあります。このように仏に供えるものを「花」「灯明」「香」という歴史は古いことになり、浄土の花、仏・菩薩を荘厳する花より法会儀式の献花、散華となったのです。
また華道は日本人の心と生活が生み出した一つの芸道なのですが、言い換えれば日本人の信仰生活に源流を持つ「いけばな」は生活に即して生まれた芸術で、それが発展してきたものであります。

この「密教の花」の特別展に高野山に伝わる絵画、彫刻、工芸品と花との係わりを一堂に蒐めて展観し、花を主題にした信仰に思いを馳せ、密教のもつ美意識、優れた文化財に触れる機会となるよう願ってやみません。

平成十二年七月二十日 高野山霊宝館
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