第16回大宝蔵展-「高野山の菩薩像」展示リスト
平成7年7月20日~8月31日
御挨拶
このたび当館では第十六回高野山大宝蔵展として「高野山の菩薩像」をテーマに特別展を開催することになりました。
菩薩はサンスクリット(梵語)のボーデイ・サットヴァの発音を漢字に当てた菩提サッタの略で、さとりを求めて仏になろうとするもの、すべての人々を救おうとする大慈悲心を持ち修行するものとされます。
菩薩はサンスクリット(梵語)のボーデイ・サットヴァの発音を漢字に当てた菩提サッタの略で、さとりを求めて仏になろうとするもの、すべての人々を救おうとする大慈悲心を持ち修行するものとされます。
それが礼拝の対象としてあらわされ、観音、地蔵、文殊、普賢、弥勒、虚空蔵菩薩などは信仰を得て独尊として、また如来の脇侍として釈迦如来には普賢、文殊菩薩、阿弥陀如来には勢至、観音菩薩、葉師如来には日光、月光菩薩のように三尊形式とする彫像や画像が造られています。
それらは釈迦の修行に励む成道以前の姿、すなわち当時のインド上流階級のみなりが基本となっていたのが、のちに変化の菩薩が生み出され、さらに展開して般若、薬王、不空羂索、馬鳴、香王菩薩など密教的菩薩の誕生に連なり、変化の菩薩の特殊な形、性格、役割、功徳など経典や儀軌に細かく規定され、高野山にもこれらの菩薩等像は信仰をあつめ多く奉祀し、また文化財として保存されています。
本展を通じて菩薩のおだやかな優しさと慈悲に触れていただくことにより、人生を見詰め直していただく機縁となれば幸いと存じます。
本展を通じて菩薩のおだやかな優しさと慈悲に触れていただくことにより、人生を見詰め直していただく機縁となれば幸いと存じます。
平成七年七月 高野山霊宝館舘長 山口 耕榮