第14回大宝蔵展-「高野山の明王像」展示リスト
平成5年7月20日~9月3日
御挨拶

このたび高野山霊宝館では、第十四回高野山大宝蔵展「高野山の明王像」を開催することになりました。
高野山にはきわめて多くの明王の優れた尊像が保存されています。
明王は密教特有の尊であり、大日如来の一つの表現であります。
高野山にはきわめて多くの明王の優れた尊像が保存されています。
明王は密教特有の尊であり、大日如来の一つの表現であります。
すなわち大日如来の命を受けて忿怒の相を現わし、一切の魔障を降伏させる諸尊であり、さまざまな武器を持ち、火焔に包まれ、多面多臂で蛇や髑髏などで荘厳し、表情が恐ろしく、また怪異な姿、激しい力を表現したものが多くあります。そのうち孔雀明王は例外で、孔雀に乗る菩薩形であり初期の尊として五世紀頃その経典が成立しています。
その後七世紀以降に出現する明王は、すべて忿怒形となっています。
この念怒の形相は慈悲の現われであり、悪をこらしめるだけでなく、その救済をも含まれているのが明王の忿怒相であります。
古来いかに多くの人々がこれら明王に願をかけ、救を求めてきたことでしょう。
現実を拠りどころとなし、信仰の対象としての高野山にゆかりの数々の明王像との出合いにより、歳月を重ねた歴史の重み、信仰の実態、古色の味わい、洗練された美しさなど、拝観された方々に感動が広がりますれば幸いに存じます。
その後七世紀以降に出現する明王は、すべて忿怒形となっています。
この念怒の形相は慈悲の現われであり、悪をこらしめるだけでなく、その救済をも含まれているのが明王の忿怒相であります。
古来いかに多くの人々がこれら明王に願をかけ、救を求めてきたことでしょう。
現実を拠りどころとなし、信仰の対象としての高野山にゆかりの数々の明王像との出合いにより、歳月を重ねた歴史の重み、信仰の実態、古色の味わい、洗練された美しさなど、拝観された方々に感動が広がりますれば幸いに存じます。
平成五年七月二十日 高野山霊宝館館長 山口 耕榮