空海と高野山 於 京都国立博物館

1.名  称弘法大師入唐1200年記念 「空海と高野山」
2.開催趣旨


 和歌山県北部、高い峰々に囲まれた僅かな平地(標高約800m)にひろがる山上の宗教都市、高野山。平安時代のはじめ816年に、弘法大師空海によって真言密教の根拠地として定められた場所です。以来、およそ1200年にわたり幾多の盛衰を経ながらも、真言宗の総本山にとどまらず、仏教文化の発信地としてゆるぎない地位を保ち続けてきました。
 高野山では皇茶羅をはじめとする豊麗な密教美術が創造されたほか、皇族・武家など時の権力者による寄進、戦火を逃れて各地から納められた文化財の蓄積を通じて、貴重な宝物文化財の一大集積地としての性格を帯びてきました。国宝23件、重要文化財187件という国指定文化財の所蔵件数の多さが物語るとおり、高野山は「山の正倉院」とも例えうる仏教美術の大殿堂ということができます。
 若き日の空海が密教を求めて唐に渡ってから1200年の節目を迎えるにあたり、高野山が擁する貴重な文化財を、かつてない規模で披露いたします。2003年春から全国を巡回する本展を是非ご堪能ください。


第1章 空海と高野山の歴史
密教という新しい宗教の根拠地をさがしていた空海は、弘仁7年(816)にいたって高野山をその地と定めました。以来、まもなく1200年を迎えようとしています。いまでこそ山岳霊場として全国にその名を知られていますが、長い星霜の間には、いくたの盛衰と信仰の変化がありました。このコーナーでは、空海自筆の書跡をはじめ、高野山の景観を描いた屏風、美福門院奉納の一切経、西行・頼朝書状など、それぞれの時代の歴史的状況をしのばせる作品を展示します。
第2章 空海の思想と密教のかたち
空海は修行時代から密教経典典の重要性に気づき、唐こ渡って恵果阿闇梨のもとで奥義をきわめました。密教は、仏・菩薩をはじめとするあらゆる存在が大日如来に包み込まれるという得意な考え方に立つ総合宗教です。曼荼羅に代表されるように、図形や造形の働きを重視することもその大きな特色です。このコーナーでは、空海の宗教的実践や思想の奇跡を示す作品、および密教独特の各種の曼荼羅や明王像、初期密教法具などを集めています。
第3章 信仰の重なりとその美術
高野山では、空海のあとも真言宗総本山として密教の正統が受け継がれてゆきました。儀礼や年中行事も整備されるに従い本尊像・経典・法具類が整えられ、密教美術の本流が築かれました。また、高野山を浄土ととらえる信仰が広がるにつれて、弥勒信仰や阿弥陀信仰などの浄土教思想も流入し、さまざまな思想・信仰の重なる一大霊場とあおがれました。このコーナーでは、こうした諸信仰の重なりが生み出した美術作品をながめてみます。
第4章 山の正倉院
高野山には、長い歴史を通じて、山の外からも数多くの文化財が持ち込まれ保存されてきました。歴史的文化財や宝物に価値を認め、後世に伝えようとする持続的意思と基盤が高野山にはあるとみなされてきたのです。日本文化史のなかで果たした役割は、山の正倉院にたとえることができるでしょう。奈良写経、漢詩文集、天台美術、請来仏画など、国宝を多く含む重要な美術作品をここで取り上げ、高野山の文化財保存の機能を検証します。
第5章 近世の高野山
 豊臣秀吉による高野山攻撃を辛くもかわした高野山は、江戸時代になると幕府の統制化に入り、宿坊制度や本末関係を確立してゆきます。大名家との関係も中世後半からしだいに密になって近世には定着するにいたり、その関係をもとに絵師の来山も多くなります。このコーナーでは、中尊寺経や高麗版一切経など近世初期の武将たちが奉納したとされる諸経典とともに、高野山に残る近世絵画の中から武家肖像や障屏画の優品を選んで展示します。
2.会期・会場 2003 年4月15日(火)〜5月25日(日)
京都国立博物館
開館時間:午前9時30分〜午後6時(入館は5時30分まで)
休館日:毎週月曜日 
※ただし、4月28日(月)・5月5日(月)は開館、5月6日(火)は休館
京都府京都市東山区茶屋町527
Tel:075−541−1151
3.入館料等 一 般 1300円 (前売1100円)(団体1000円)
高校・大学生 900円 (前売700円)(団体600円)
小学生・中学生 400円 (前売300円)(団体200円)
4.問い合わせハローダイヤル 06−4860ー8600
NHK大阪放送局
京都国立博物館
5.主催者名 京都国立博物館、高野山真言宗総本山金剛峯寺、財団法人高野山文化財保存会
NHK京都放送局、NHKきんきメディアプラン 
6.後援 文化庁他